カーボンフォームバッテリ(CFB)をご紹介します。

CFBジャパンが輸入・販売するCFBの一例

鉛電池の欠点を解消

CFBは、鉛電池の一種です。陰極をカーボン素材(カーボンフォーム)に変更したもの。ただ、これによって、既存の鉛電池の欠点が解消され、かつ、エネルギー密度も向上しています。

その欠点とは、なんといっても、自己放電が激しいことです。これに悩まされているのは農家で、エンジンを使う農機の始動用バッテリが、「使いたいときにはいつもあがっている」という状態です。稲刈り機など旬にしか使わないものが多数だからです。アイドルタイムにバッテリがあがってしまう。

CFBは自己放電がきわめて小さいため、年に一度しか使わない場合でも、あがったりする危険はほとんどありません。これは、流通にも有利です。店頭在庫でも、問題は起きないということですから。

大規模電力プールに最適

CFBの特長をみて、真っ先に思い浮かべたのは、大規模電力プールへの利用です。たとえば、太陽電池は夕方以降は発電をしません。昼間に発電したものを蓄電して、夜使いたい。それに必要なのが、電力プールです。

いまはノーベル賞ネタでもあり、リチウムイオン電池ばかりが注目されていますが、大規模電力プールにはCFBのほうが向いています。というか、リチウムイオン電池が、大規模電力プールには向きません。以下の理由によります。

  • 安全性が問題
    大規模・大容量になればなるほど、発火のときの被害も大きくなる。また、家庭用としても、火事の心配のあるものを普及させるわけにはいかない。
  • コストが高い
    もともとリチウムイオン電池は高価なんですが、さらに安全性確保のために、各セルの充電状況を管理するバッテリマネジメントシステム(BMS)が必須です。これが高価。
  • メンテナンス代が高い
    そして、BMSを必要とするために、セル単位での交換もできません。まだ元気なセルが多数あっても、BMSごと、すなわちシステムごと交換するほかない。

これに比べると、CFBは安全性が高く(基本、出火の心配はない)、 BMSを必要とせず 、初期コストもメンテナンスコストも安い。一部のCFBが消耗したら、それだけをとりかえるだけで済みます。

唯一劣るのはエネルギー密度ですが、電力プールなら多少大きく、重くても問題はないでしょう(もちろん、モバイル機器など重さが気になる場面では、リチウムイオン電池の圧勝です)。

自動車の軽量化も期待できる

年に1,2度しか使わない農機用バッテリとして、大規模電力プール用バッテリとして期待できると書いてきましたが、もうひとつ、CFBは自動車の軽量化にも貢献できるはずです。エネルギー密度が、既存品より大きいからです。

同じ容量なら、おそらく質量は既存品の1/2~2/3くらいにできるでしょう。バッテリをCFBにするだけで、kg単位で軽量化できるということです。

ただし、現時点では、日本市場にニーズがないため、JIS規格バッテリもラインナップされていません。CFBを開発したのは米キャタピラ社で、工場はインドにあり、おもにアメリカに向けて販売されています。このバッテリにご興味がある場合は、問い合わせ窓口からご連絡ください。

関連URL
CFBジャパンによるCFBバッテリ情報サイト
https://carbonfoam.tech/